11月1日に年賀状の販売がスタートします。このタイミングで、喪中はがきの準備を始める方も多いかと思います。
喪中通知に一言加えることは、本当にマナー違反となるのでしょうか?
この疑問に対して、追記すべきコメントの正しい書き方や気をつけるべきポイント、そして適切な言葉遣いをご紹介します。
また、新年を迎えて新年の挨拶を省略することの意義と、その際の表現方法について、マナーの観点から解説します。
手書きで添えるべき適切な文例も提供しながら、誰にでも理解しやすいように説明いたします。
喪中はがきにメッセージを添えるのは適切か?エチケットについて考える
秋が深まるにつれ、喪中はがきを送る季節が近づきます。通常、これらは定型の印刷文で送られることが一般的ですが、
「印刷だけでは伝わらない思いがある」
「最近の出来事を伝えたくなる」
と感じることも少なくありません。
標準的な文面だけでは自分の感情を完全には表現できないと感じることもあります。
「既定の文に加えて、手書きで少しメッセージを足したい」と思うこともあるでしょう。
一般に、喪中はがきに追加の文を書く必要はないとされていますが、それがマナー違反になるわけではありません。
しかし、追加する内容によっては不適切と見なされることもあるため、慎重な判断が求められます。
手書きでのコメントは、適切なマナーを守っていれば問題はないとされています。
喪中はがきは元々、年賀の挨拶を省略する目的で使われるものですから、不適切な内容は遺族や受取人に不快感を与える可能性があります。
悲しい記憶を呼び起こす内容は避けた方が良いという意見もあります。
それでも、多くの喪中はがきが簡潔なため、個人的なメッセージを手書きで添える願望は理解できます。
実際に、私も喪中はがきに簡単なメッセージを加えた経験がありますし、そういった手書きのコメントを受け取ることも珍しくありません。
喪中はがきに手書きメッセージを加えるかどうかは、送る側と受け取る側の関係や、相手の感情を考慮して決めることが大切です。
喪中はがきへの追加メッセージについてのマナー
喪中はがきに少しのコメントを添える際は、非常に細心の注意が必要です。このはがきは新年を悲しみと共に迎えることを伝えるために用いられるため、日々の出来事を述べる場としては不適切です。
葬儀に参列してくれた方々への感謝を表すような、その弔事に直結する内容であれば、メッセージの追加はふさわしいと言えます。
一方で、日常生活の近況や健康状態の心配、新住所への引越しの知らせ、再会の希望など、通常の便りで使うような情報は避けるべきです。また、結婚や出産などのお祝い事の報告も控えるべきでしょう。
喪中はがきは、故人を思いながら静かに新年を迎える旨を伝えるためのものです。不要な情報を追加することは、適切ではありません。
何かを書き加えたいと思った場合は、その内容が相応しいかどうかよく考えることが大切です。常に故人への尊重と受け取る方への配慮を心がけましょう。
新年以外の時期に近況を伝える方法
新年の挨拶のみで繋がっている方々に、喪中であることを伝えた際、次の年の近況のやり取りが途絶えがちになります。自分自身の近況や故人にまつわる話を共有したい場合、松の内が終わった後の寒中見舞いを利用するのが適切です。
(※松の内は関西では1月15日まで、その他の地域では1月7日までです。)
寒中見舞いは、厳しい冬期に温かな挨拶を交換するためのカードで、特に親しい人や長い付き合いのある知人に向けて送るものです。喪中であっても、このような形で挨拶をすることは可能です。
また、年賀状で通常行うように最新の情報を伝えることも妥当であり、喪中はがきを送った後でも寒中見舞いを送ることに問題はありません。
喪中はがきにメッセージを添える際のマナー
喪中はがきに短いメッセージを加える場合、いくつかのマナーがあります。手書きで書く場合は、筆跡が完美でなくても、心を込めて丁寧に書くことが求められます。また、はがきの伝統に沿って、文字は縦書きで記入するのが一般的です。
喪中はがきは故人を悼むためのものであり、親しい人宛てでも軽いトーンの言葉遣いは避けるべきです。文章は簡潔で装飾のない言葉を選ぶことが望ましいです。
句読点を省略するのは、はがきが持つフォーマルな性質を尊重するための配慮です。
喪中はがきに添える適切な一言とその例文
喪中はがきに追記する言葉は、故人を悼み、哀悼の気持ちを表現する内容に限定されます。ここでは、その際に参考になるいくつかの文例を示します。
お礼を表す文例
「法要にご参列いただき、心より感謝申し上げます」
「葬儀にて示されたご厚誼に深く感謝しております」
「いただいたご支援に心からの感謝を表します」
「あたたかなご支援に感謝しております」
「生前のご恩義に感謝しております」
「常に支えていただき、心から感謝しています」
「在職中のご支援に感謝申し上げます」
「故人が生前にお世話になった件で、厚く御礼申し上げます」
体調への配慮を示す文例
「季節の変わり目には特にご自愛ください」
「寒暖の差が激しいこの時期、お体を大切になさってください」
「冬の寒さを乗り切り、健康でいられますようお祈りいたします」
「寒さが厳しい時期、お体を第一にお考えください」
「寒い季節、お体にお気をつけて」
「これからの寒さが厳しくなる季節、健康に留意してください」
「厳しい冬の寒さにご注意ください」
「寒さが増しておりますので、温かくしてお過ごし下さい」
新年に向けた願いの文例
「新年が皆様にとって幸せに満ちたものとなりますように」
「新年が皆様にとって素晴らしい年となることを心から願っています」
「ご家族の皆様が幸せと健康に恵まれる一年をお過ごしになられますように」
「皆様に幸多かれと心から願っております」
「新年が希望と喜びで溢れるものとなりますように」
「新年が皆様にとって健康と幸福の年となりますようお祈り申し上げます」
年賀状を促す文例
「新年のご挨拶を心待ちにしておりますので、引き続きお送りいただけますと幸いです」
「皆様からの年賀状を楽しみにしております。気兼ねなくお寄せください」
まとめ
通常、喪中はがきは追加のメッセージを添えずに送ることが推奨されています。これは、喪中はがきが年賀状を控える旨を伝えるためのものだからです。
それでも何か一言添えたいと考える場合は、故人への敬意や感謝の言葉に限定するのが適切です。
もし親しい方々に対して思いやりの言葉や近況を伝えたい場合は、新年が始まり少し時間が経った後に、「寒中見舞い」として温かなメッセージを送ることが好ましいです。
喪中はがきに書く言葉は、常に喪中の状況を意識して選ぶようにしましょう。